混同しやすい点:予定利率は、受け取るお金の利回りではありません。保険料を計算するときにあらかじめ見込む運用収益の率で、その分だけ保険料が割り引かれる仕組みです。実際に手元へ戻る割合を示すのは返戻率のほうです。
予定利率とは、保険会社が保険料を計算するときにあらかじめ見込んでおく運用収益の率のことです。
この率が高いほど保険料は安くなり、低いほど高くなります。ただし予定利率が高い契約が常に有利とは限らないため、ここでは仕組みと読み方を整理します。
予定利率が保険料を決める仕組み
保険会社は契約者から預かった保険料を、将来の保険金支払いまでの間運用します。その運用で得られる収益をあらかじめ見込んでおけば、その分だけ受け取る保険料を少なくできます。
たとえば将来100万円を支払う必要があるとき、運用収益をまったく見込まなければ100万円分の保険料が必要です。運用で増えることを見込めば、預かる額は100万円より少なくて済みます。この見込みの率が予定利率です。
契約者から見れば、予定利率は保険料の割引率にあたります。
| 予定利率 | 保険料への影響 | 多く見られる局面 |
|---|---|---|
| 高い | 保険料は安くなる | 市場金利が高い時期 |
| 低い | 保険料は高くなる | 市場金利が低い時期 |
予定利率と返戻率の違い
この2つはよく混同されますが、示しているものが違います。
| 用語 | 何を示すか |
|---|---|
| 予定利率 | 保険会社が保険料を計算するときに使う割引率。契約者が受け取る利回りではない |
| 返戻率 | 払い込んだ保険料の累計に対して、受け取る金額がどれだけかを示す割合 |
予定利率が3パーセントだからといって、払った保険料が毎年3パーセントずつ増えるわけではありません。保険料には保障のためのコストや事業費も含まれるため、返戻率は予定利率より低くなるのが通常です。
標準利率との関係
各社が予定利率を決めるときの目安になるのが、金融庁が定める標準利率です。標準利率は保険会社が将来の支払いに備えて積み立てる責任準備金の計算に使われる率で、市場金利の動きをもとに定期的に見直されます。
標準利率が引き下げられると各社は予定利率を下げる方向に動きやすく、新規契約の保険料は上がる傾向になります。逆に引き上げられれば、保険料が下がる商品が出てくることがあります。
ただし予定利率は各社が自社の判断で設定するもので、標準利率と必ず一致するわけではありません。
契約後に予定利率は変わるのか
多くの終身保険や養老保険では、契約時の予定利率が保険期間を通じて適用されます。そのため市場金利が高かった時期に契約した保険は、その後金利が下がっても高い予定利率が続きます。
一方で積立利率変動型や変額保険のように、運用実績や市場金利に応じて適用される率が変わる商品もあります。どちらのタイプかは商品によって異なるため、契約内容の確認が必要です。
契約中の保険を見直すときは、現在の契約の予定利率と新しく入る商品の予定利率を比べると手がかりになります。ただし保障内容の変更や告知のやり直しも同時に発生するため、利率だけで判断しないほうが安全です。
よくある質問
予定利率が高いほうが得ですか?
同じ保障内容なら保険料は安くなります。ただし保障内容や特約の違い、払込期間の設定によって総負担は変わるため、予定利率だけで有利不利は決まりません。
予定利率と返戻率は同じものですか?
違います。予定利率は保険料を計算するときの割引率で、返戻率は払い込んだ保険料に対して受け取る金額の割合です。保険料には保障コストも含まれるため、返戻率は予定利率より低くなるのが通常です。
契約中の保険の予定利率は下がりますか?
多くの商品では契約時の予定利率が保険期間を通じて適用されます。ただし積立利率変動型や変額保険のように市場金利や運用実績で変わる商品もあるため、契約内容の確認が必要です。
標準利率が上がると保険料は安くなりますか?
各社が予定利率を引き上げれば、新規契約の保険料が下がる商品が出てくることがあります。ただし設定は各社の判断によるため、必ず連動するわけではありません。
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