解約返戻金とは?返戻率の見方と解約する前に確認したい選択肢

先に押さえておきたい点:解約返戻金は払い込んだ保険料がそのまま戻るものではありません。契約からの経過期間が短いほど戻る割合は低く、元本を下回ることが一般的です。解約を検討するときは、まず現在の返戻金額を保険会社に確認してください。

解約返戻金とは、保険契約を途中で解約したときに契約者へ払い戻されるお金のことです。返戻金、解約金と呼ばれることもあります。

保険の種類によって、まとまった額が戻るものとほとんど戻らないものがあります。ここでは、どの保険でいくら戻るのか、返戻率をどう読むのか、解約以外にどんな選択肢があるのかを整理します。

解約返戻金があるタイプ・ないタイプ

解約返戻金の有無は、保険が保障だけを目的としているか、積立の性格をあわせ持つかで分かれます。

保険の種類 解約返戻金の傾向
定期保険 ないか、あってもごく少額。保障期間中の死亡に備える掛け捨て型
医療保険・がん保険 ないか、ごく少額。掛け捨て型が主流
終身保険 経過とともに増えていく。払込満了後はさらに増える
養老保険 満期に向けて増えていき、満期時は満期保険金として受け取る
学資保険 進学時期の給付に向けて積み上がる
収入保障保険 ないか、ごく少額

掛け捨て型に解約返戻金がないのは損というわけではありません。積立部分がない分、同じ保障額でも保険料が抑えられています。

返戻率の見方

返戻率は、払い込んだ保険料の累計に対して解約返戻金がどれだけあるかを示す割合です。払込累計と同額なら100パーセント、下回れば元本割れです。

注意したいのは、返戻率が時期によって大きく変わることです。契約初期は保険会社の初期費用が差し引かれるため低く、期間が進むにつれて上がっていきます。設計書に載っている高い返戻率は、多くの場合かなり先の時点の数値です。

設計書の数値が配当込みかどうかも確認が必要です。配当は運用実績に応じて事後的に決まるため、記載どおりに支払われるとは限りません。

低解約返戻金型とは

低解約返戻金型は、保険料の払込期間中の解約返戻金を通常の7割程度に抑える代わりに、保険料を低く設定した設計です。

払込期間が終わると返戻金は通常の水準に戻るため、払込満了まで持ち続ける前提であれば効率の良い設計になります。一方で払込期間中に解約すると、通常型より戻る額は少なくなります。

途中で家計が苦しくなる可能性を織り込み、払込期間を短くしすぎない設定にしておくと、この設計の負担は小さくできます。

解約する前に検討できる選択肢

保険料の負担が重い場合でも、解約以外の方法で契約を続けられることがあります。いずれも取り扱いは商品ごとに異なるため、契約中の保険会社への確認が前提です。

方法 内容
払済保険 以後の払い込みをやめ、その時点の解約返戻金をもとに保障額を減らして契約を続ける
延長保険 以後の払い込みをやめ、保障額は変えずに保障期間を短くして契約を続ける
減額 保障額の一部を減らし、その分の保険料を下げる
契約者貸付 解約返戻金の一定範囲内で保険会社から借りる。契約は続くが利息がかかる
払込方法の変更 月払から年払へ、あるいは払込期間を延ばして1回あたりの負担を下げる

特約が消滅する、医療保障がなくなるなど、方法ごとに失うものがあります。手続き前に、何が残り何がなくなるのかを確認してください。

税金の扱い

契約者と受取人が同じ場合、解約返戻金は一時所得として扱われるのが基本です。受け取った額から払い込んだ保険料の総額と特別控除50万円を差し引き、残った額の2分の1が課税対象になります。

元本割れしている場合は課税対象になりません。契約者と受取人が異なる場合など契約形態によっては別の扱いになることがあるため、判断がつかない場合は税務署や税理士に確認してください。

よくある質問

解約返戻金はいつ確認できますか?

保険会社のマイページや契約者向けの窓口で、現時点の解約返戻金額を確認できます。証券や設計書にも経過年数ごとの目安が記載されていますが、実際の金額は契約状況によって変わるため保険会社への確認が確実です。

医療保険を解約してもお金は戻りませんか?

多くの医療保険は掛け捨て型のため、解約返戻金はないかごく少額です。ただし積立型や還付金がつくタイプもあるため、契約している商品の内容を確認してください。

低解約返戻金型は途中で解約すると損ですか?

払込期間中に解約した場合、戻る額は通常型より少なくなります。払込満了まで続けられるかどうかを踏まえて選ぶ設計です。

解約返戻金を受け取ると税金がかかりますか?

契約者と受取人が同じ場合は一時所得として計算し、払込保険料の総額と特別控除50万円を差し引いた残りの2分の1が課税対象です。元本割れしている場合は課税対象になりません。

解約すべきか、払済や減額で続けるべきかを、公的制度と家計の状況を踏まえて整理したい方へ

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