保険と税金・相続|生命保険料控除・相続税・法人保険の節税を正しく理解する
この記事でわかること
- 生命保険料控除で所得税・住民税を軽くする仕組み
- 死亡保険金の相続税非課税枠(500万円×法定相続人数)
- 満期金・解約返戻金にかかる一時所得の計算
- 法人保険の損金算入(2019年改正)とNISA後の運用の税制
保険は「もしも」への備えであると同時に、税制上のメリットや注意点があります。ここでは、生命保険料控除・相続税の非課税枠・一時所得・法人保険の損金算入・NISAとの関係を整理します。税制は改正されることがあり、個別の判断は税理士や国税庁の情報で確認してください。
生命保険料控除で税負担を軽くする
生命保険料控除は、支払った保険料に応じて所得控除を受けられる制度です。2012年以降の新制度では「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3区分に分かれ、所得税は各区分で最大4万円・合計最大12万円、住民税は各区分で最大2.8万円・合計最大7万円が控除されるとされています。会社員は年末調整、それ以外は確定申告で申告します。
死亡保険金の相続税非課税枠
被相続人が保険料を負担していた死亡保険金には、「500万円×法定相続人の数」までの非課税枠があります。たとえば法定相続人が3人なら1,500万円までが非課税です。現金で遺すより相続税の負担を抑えやすく、生命保険が相続対策に使われる理由の一つです。ただし非課税枠は相続人が受け取る場合が対象で、受取人の設定によって扱いが変わる点に注意が必要です。
満期金・解約返戻金と一時所得
自分で保険料を払った満期保険金や解約返戻金を受け取ると、多くの場合「一時所得」として課税されます。一時所得は「受取額 − 払込保険料 − 特別控除50万円」を求め、その2分の1が他の所得と合算して課税されるとされています。特別控除50万円があるため、増えた分が50万円以内なら課税されないケースもあります。契約者・被保険者・受取人の関係によっては贈与税や相続税の対象になることもあるため、契約形態の確認が重要です。
法人保険と損金算入(2019年改正)
法人が契約する保険の保険料は、一定の範囲で損金に算入できますが、2019年の税制改正により、最高解約返戻率に応じて損金算入できる割合が制限されました。返戻率が高い商品ほど資産計上の割合が大きくなり、かつての「全額損金」を前提とした節税効果は縮小しています。法人保険は保障目的を軸に、税務は顧問税理士と確認するのが安全です。
NISAを使い切った後の運用と保険
NISAの非課税枠を使い切った後の運用先として、変額保険や外貨建て保険が候補に挙がることがあります。ただしこれらの運用益はNISAのように非課税ではなく、受け取り方により一時所得や雑所得などとして課税されます。保険には保障やコスト(手数料・保険関係費)も伴うため、純粋な運用効率ではNISA・iDeCoを優先し、保険は保障や相続対策として位置づけるのが合理的と考えられます。
よくある質問
Q. 生命保険料控除はいくら受けられますか?
A. 新制度では所得税が各区分で最大4万円・合計最大12万円、住民税が各区分で最大2.8万円・合計最大7万円が控除されるとされています。
Q. 死亡保険金の相続税非課税枠は?
A. 「500万円×法定相続人の数」までが非課税です。相続人が3人なら1,500万円までが非課税になります。
Q. 満期金に税金はかかりますか?
A. 多くの場合一時所得となり、受取額から払込保険料と特別控除50万円を引いた額の2分の1が課税対象です。
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.1140「生命保険料控除」(www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm)
- 国税庁 タックスアンサー No.4114「相続税の課税対象になる死亡保険金」(www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4114.htm)
本記事は上記の公的機関等が公表する情報をもとに、一般的な内容を整理したものです。制度や税制は改定されることがあり、個別の取り扱いは状況によって異なります。最新かつ具体的な内容は、各機関の公式情報や専門家でご確認ください。
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