この記事でわかること
- 一時所得の定義と対象となる主な収入
- 保険金・満期金にかかる一時所得の計算式
- 特別控除50万円と1/2課税のしくみ
- 源泉分離課税(金融類似商品)との違い
生命保険の満期金・解約返戻金・変額保険の運用益を受け取ったとき、「一時所得」として課税される場合があります。一時所得には特別控除と1/2課税というしくみがあり、課税対象額は受け取り金額より大幅に少なくなるケースがあります。この記事では一時所得の定義・計算方法を正確に解説します。
一時所得とは
一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質を持たない一時的な所得をいいます(所得税法34条)。生命保険の文脈では、次のような受け取りが一時所得に該当します。
- 満期保険金(貯蓄型・養老保険など)
- 解約返戻金(解約時の受け取り額が払込保険料を超えた部分)
- 変額保険・外貨建て保険の運用益部分
- 生存給付金(一定条件のもと)
※ただし、死亡保険金は相続税・贈与税の対象になる場合があり、一時所得とは異なります。
一時所得の計算式
一時所得は以下の計算式で求めます(国税庁 No.1490)。
一時所得の計算式
一時所得 = 受取額 − 払込保険料総額 − 特別控除額(最高50万円)
課税対象は
上記の 1/2 の金額
計算例
払込保険料:800万円 / 受取額:1,000万円
一時所得 = 1,000万円 − 800万円 − 50万円 = 150万円
課税対象額 = 150万円 × 1/2 = 75万円
この75万円が他の所得と合算されて総合課税されます。
特別控除50万円のしくみ
一時所得には年間50万円の特別控除が認められています。ただし、控除しきれない場合でも最大50万円が上限です。複数の一時所得がある場合は合算して50万円の控除となります(年間合計)。
一時所得にならない場合:源泉分離課税(金融類似商品)
一時払い保険で保険期間が5年以下、または5年以内に解約した場合は「金融類似商品」として扱われ、利益に対して一律20.315%の源泉分離課税が適用されます。この場合は確定申告不要ですが、特別控除や1/2課税の恩恵はありません(国税庁 No.1755)。
| 区分 | 課税方式 | 税率の目安 |
|---|---|---|
| 通常の貯蓄型保険(5年超) | 一時所得(総合課税) | 所得税率により異なる(1/2課税・特別控除あり) |
| 一時払い保険(5年以内解約) | 源泉分離課税 | 一律20.315% |
参考・出典
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