この記事でわかること
- 損金算入の定義と法人税における位置づけ
- 法人保険の保険料が損金になる条件(2019年改正後)
- 資産計上と損金算入の違い・経理処理の基本
- 全額損金になるケースと一部損金になるケース
公的制度の確認ポイント:法人保険の税務処理は2019年国税庁通達改正により大きく変わっています。個別の経理・税務判断は税理士にご相談ください。
法人が生命保険に加入する際、「保険料が損金算入できる」という話を耳にすることがあります。しかし損金算入にはルールがあり、すべての保険料が損金になるわけではありません。この記事では、損金算入の基本概念と2019年改正後の最新ルールを正確に解説します。
損金算入とは
損金算入とは、法人が支出した費用を法人税の計算において「損金(=費用)」として認識し、課税所得から差し引くことです。損金算入できる金額が大きいほど課税所得が減り、法人税の負担が減ります。
基本的な考え方
課税所得 = 益金(収益)− 損金(費用・損失)
損金算入額が増えるほど課税所得が減り、法人税が減少します。
ただし、これは「税の繰延」であり、将来の収益計上時には課税されます。
法人保険の保険料が損金になる条件(2019年改正後)
2019年7月の国税庁通達改正により、法人保険の保険料の損金算入割合は「最高解約返戻率」によって決まる方式に変わりました。
| 最高解約返戻率 | 損金算入の扱い | 残りの扱い |
|---|---|---|
| 50%以下 | 全額損金 | ― |
| 50%超〜70%以下 | 保険料の60%が損金 | 40%は資産計上 |
| 70%超〜85%以下 | 保険料の40%が損金 | 60%は資産計上 |
| 85%超 | 当初10年は一部のみ損金 | 大部分は資産計上 |
※保険期間・商品の種類等により詳細は異なります。必ず税理士に確認してください。
例外:全額損金になるケース
以下の条件をすべて満たす場合、全額損金算入が可能です
- 最高解約返戻率が50%以下(掛け捨て型の純粋保障)
- 最高解約返戻率が70%以下かつ年払保険料が30万円以下(被保険者1人あたり)
- 保険期間が3年未満の定期・第三分野保険
資産計上した保険料はどうなるか
損金算入されなかった部分(資産計上部分)は、保険を解約・満期したときに解約返戻金と相殺されて収益計上されます。このため、法人保険の多くは「節税」ではなく「課税の繰延」と正確に理解すべきです。詳しくは「法人保険は節税か繰延か」をご覧ください。
参考・出典
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