収入保障保険は自営業・フリーランスに必要?会社員との保障格差を確認する方法
Freelance & Self-Employed
収入保障保険は自営業・フリーランスに必要?
会社員との保障格差を確認する方法
傷病手当金がない・遺族年金が少ない。その差を民間保険でどう埋めるか整理します。
この記事でわかること
- 自営業・フリーランスが抱える「保障の空白」とは何か
- 会社員との保障格差(傷病手当金・遺族年金)を月額で比較
- 労災保険特別加入でカバーできる範囲・できない範囲
- 収入保障保険が必要なケース・不要なケース
- 必要な保険月額の計算方法(生活費 − 公的保障 = 不足分)
公的制度の確認ポイント:会社員と自営業では、働けなくなったときの公的保障に大きな差があります。まずその差額を把握することが、保険選びの出発点になります。
自営業・フリーランスが抱える「保障の空白」
会社員には、働けなくなった場合に備えた複数の公的セーフティネットがあります。一方、自営業・フリーランスにはそれがほとんどありません。この差が、保険を検討する際の出発点になります。
| 保障の種類 | 会社員(厚生年金加入) | 自営業・フリーランス |
|---|---|---|
| 傷病手当金 (病気・ケガで休業) |
最長1.5年・給与の約2/3 | 原則なし |
| 遺族年金 (死亡時の家族への給付) |
遺族基礎年金+遺族厚生年金 (月15〜20万円・子2人モデル) |
遺族基礎年金のみ (月9〜11万円・子2人) |
| 有給休暇 | 法定付与あり | なし |
| 労災保険 (業務上の事故・病気) |
強制加入・保険料事業者負担 | 特別加入で対応可 (2024年11月〜全業種) |
※傷病手当金は健康保険組合の規定によって異なります。遺族年金の金額は加入期間・収入・家族構成によって大きく変わります。
労災保険特別加入でカバーできること・できないこと
2024年11月から、フリーランスは業種を問わず労災保険の特別加入が可能になりました。ただし、カバー範囲には重要な制限があります。
カバーされる範囲
- 仕事中の事故・ケガ
- 業務に関連した疾病
- 通勤途上の事故
- 休業補償(業務起因の場合)
カバーされない範囲
- 私病・私傷(業務外の病気・ケガ)
- 精神疾患(業務外起因)
- 死亡時の遺族への長期保障
- 傷病手当金相当の給付
重要:がんや心疾患などの私病で長期入院・就業不能になるリスクは、労災保険特別加入ではカバーできません。日本人の2人に1人ながん罹患リスクを考えると、民間の就業不能保険・収入保障保険での備えが現実的です。
自営業者に収入保障保険が必要なケース・不要なケース
必要かもしれないケース
- 子どもが小さく独立まで10年以上ある
- 配偶者の収入が少ない・なし
- 住宅ローン返済中
- 月収に対して貯蓄が少ない
- 自営業で遺族年金が会社員より少額になる
優先度が低いケース
- 独身・扶養する家族がいない
- 子どもがすでに成人・独立済み
- 十分な金融資産・不動産収入がある
- 配偶者が高収入で遺族の生活が維持できる
自営業特有のポイント:会社員と違い、自営業者の遺族年金は遺族基礎年金のみです。年収400〜600万円の会社員と比べると月5〜10万円程度の差が生じます。この差額を「貯蓄で賄えるか・保険で補うか」が判断の分かれ目になります。
必要な収入保障保険の月額を計算する方法
「いくらの保障が必要か」は、次のステップで概算できます。
月額保障の逆算ステップ
月々の生活費を把握する
家賃・食費・教育費・光熱費など。住宅ローンがある場合は含める。
受け取れる遺族年金を確認する
ねんきんネットで遺族年金欄を確認。自営業は遺族基礎年金のみ(月9〜11万円・子2人)。
配偶者の収入・貯蓄を差し引く
遺族が就労している場合はその収入も加算。貯蓄で補える期間も考慮する。
不足分が収入保障保険の目安月額
生活費 − 遺族年金 − 配偶者収入 = 収入保障保険で補う月額
計算例(自営業・子1人・月収40万円)
- 月々の生活費: 25万円
- 遺族基礎年金(子1人): 約9万円
- 配偶者収入: 10万円(パート想定)
- 不足分: 25万 − 9万 − 10万 = 月6万円
- → 収入保障保険の月額保障 6万円以上 を目安に検討
自営業者向けの保険設計ステップ
死亡リスクと就業不能リスクはそれぞれ別の保険でカバーする考え方が基本です。
死亡リスク
収入保障保険
自分が亡くなった後、残された家族の生活費を月々補う。遺族年金の不足分を設計する。
就業不能リスク
就業不能保険
or 所得補償保険
病気・ケガで働けなくなったときに収入を補う。傷病手当金がない自営業者には特に重要。
どちらを優先するか迷ったら:扶養する子どもがいる場合は「死亡リスク(収入保障保険)」を先に確保し、貯蓄が少ない場合は「就業不能リスク(就業不能保険)」を優先するケースが多いとされています。最終的には家族構成・資産状況によるため、FP相談で個別に確認するのが確実です。
自営業・フリーランスの保険設計に強いFPに相談
自分に合った保障月額を
無料でシミュレーション
収入保障保険と就業不能保険の組み合わせ方、必要な月額の計算をFPがサポートします。
※相談無料・何度でも利用可能。保険加入の義務はありません。
収入保障保険の関連記事
- → 収入保障保険とは?仕組み・選び方・必要性
- → 収入保障保険はいらない?遺族年金と比べて必要性を判断する方法
- → 就業不能保険と収入保障保険の違い
- → 収入保障保険の月額保険料の目安・相場
- → 収入保障保険と自営業・フリーランス【このページ】
- → フリーランスの保険の組み合わせ方