就業不能保険は自営業に必要?公的保障の格差と必要給付金額の計算方法
Disability Insurance for Self-Employed
就業不能保険は自営業に必要?
公的保障の格差と必要給付金額の計算方法
傷病手当金がない自営業者は、就業不能になると即日収入ゼロのリスクがあります。
必要な備えをFP相談で確認しましょう。
- 自営業者が会社員より公的保障が薄い理由と金額差
- 就業不能になった場合の月次収支シミュレーション
- 職種別の推奨設定(免責日数・給付金額の目安)
- 労災特別加入との役割分担と組み合わせ方
自営業 vs 会社員:就業不能時の公的保障の差
就業不能状態になったとき、会社員と自営業者では受けられる公的保障に大きな差があります。この格差を正確に把握することが、必要な保険を設計する第一歩です。
| 保障種別 | 会社員 | 自営業・フリーランス |
|---|---|---|
| 傷病手当金 | 月収の約2/3 最長1年6ヶ月 |
なし(0円) |
| 障害基礎年金(2級) | 月約65,320円 | 月約65,320円 |
| 障害厚生年金 | あり(報酬比例) | なし |
| 就業不能1ヶ月目の収入 | 傷病手当金あり | 即日ゼロ |
就業不能時の月次収支シミュレーション(自営業者)
月収別に、就業不能になった場合の月次収支を試算します。自営業者は傷病手当金がないため、収入は即ゼロになります。
| 月収(売上) | 就業不能後の収入 | 生活費(目安) | 月々の不足額 |
|---|---|---|---|
| 月収25万円 | 0円 | 約18〜22万円 | 約18〜22万円 |
| 月収30万円 | 0円 | 約22〜26万円 | 約22〜26万円 |
| 月収40万円 | 0円 | 約28〜35万円 | 約28〜35万円 |
※生活費は家族構成や住居費によって異なります。障害基礎年金(月約6.5万円)は1年6ヶ月後から受給可能な場合があります。
必要給付金額の計算ステップ
就業不能保険で備えるべき月額は、以下の3ステップで計算できます。
Step 1:月々の生活費を把握する
家賃・食費・光熱費・通信費・保険料など、毎月かかる固定費+変動費の合計
Step 2:受給できる公的給付を確認する
自営業の場合:傷病手当金0円、障害基礎年金(等級・受給要件に注意)
Step 3:不足額が必要給付金額
生活費 − 公的給付(≒0円)= 就業不能保険で備えるべき月額
計算例(月収30万円の自営業者)
生活費24万円 − 公的給付0円 = 月24万円の給付設定が目安
(月20〜25万円の設定が選ばれやすい範囲)
職種別の推奨設定
自営業者・フリーランスの職種によって、リスクの傾向と推奨設定が異なります。
肉体労働系
大工・職人・配送業など
- 免責60日
- フルタイプ(開始から満額)
- 給付金額:生活費全額に近い設定
- 精神疾患保障:確認推奨
デスクワーク系
エンジニア・ライター・デザイナーなど
- 免責60日
- フルタイプ
- 精神疾患保障あり商品を優先
- 給付金額:月20万円前後が目安
店舗系
飲食・小売・美容など
- 免責60日
- フルタイプ(開業直後リスクに注意)
- 給付金額:固定費+生活費をカバー
- 保険期間:65〜70歳満期を検討
労災特別加入との役割分担
自営業者は「労災特別加入」と「就業不能保険(民間)」を組み合わせることで、業務上・業務外のリスクを幅広くカバーできます。
労災特別加入
カバー:業務中・通勤中の傷病
限界:業務外の病気・私傷病は対象外
就業不能保険(民間)
カバー:業務外も含む全傷病・精神疾患
限界:月額保険料がかかる
→ 業務中は労災特別加入で補い、業務外・私傷病・精神疾患リスクを就業不能保険(民間)でカバーするのが自営業者の基本設計です。
自営業者が就業不能保険を選ぶ4つのチェックポイント
- 免責日数は60日を基本に選ぶ(公的給付がないため短い免責が安心)
- フルタイプを選ぶ(就業不能開始から満額給付を受けられる)
- 精神疾患保障の有無を確認する(デスクワーク系は特に重要)
- 給付金額は生活費全額を目安に設定する(傷病手当金ゼロを前提)
自営業者の就業不能保険は、職種・収入・家族構成によって最適な設計が異なります
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